どうも、自動車のマイコンにプログラミングをする組み込みエンジニアのなかしーです。
僕は3年ぐらい仕事上でPICマイコンを触っていました。そのおかげで自宅で行っている電子工作ではPICマイコンを使うことが多いです。
PICマイコンの良いところは形状やピン数の種類が豊富なところです。マイコンによくあるモジュールはひと通り網羅しており、細かな設定も可能です。
Arduinoをある程度使えるようになった人がステップアップの為に勉強するのにちょうど良いと思っています。
今回はそんな「PICマイコン」について紹介します。
PICマイコンとは
アメリカの半導体製造業者のマイクロチップ・テクノロジーが販売しているワンチップマイコンです。
ワンチップマイコンとは簡単にいうと電子工作でよく使うようなモジュールが1つになったICです。ワンチップマイコンの似たような例としてArduinoに搭載されているAVRマイコンが挙げられます。
PICマイコンは冒頭でもお伝えした通り種類が豊富です。そのため汎用性が高く電子工作にとても重宝しています。
- 形状:表面実装型や基板挿入型
- ピン数:8ピン、14ピン、18ピン、28ピン、40ピン
- シリーズ:16F、18F、24F、32F、dsPIC
種類が豊富だけではなく、とても安価で物によっては1つあたり100円以下だったりもします。電子工作の部品って高い物だと1つだけで1000円以上したりするので、それに比べるとPICマイコンは超絶安いことが分かると思います。
マイコンで定番のモジュールが内蔵されており、型式によってはUSBケーブルを使った通信に対応していたり、機能を好きなピンに割り当てることができたりもします。
- PWM
- タイマ割り込み
- 外部割り込み
- SPI通信
- UART通信
- I2C通信
- A/D変換
PICマイコンの使用例
僕は「なかしーの電子工作部」というYouTubeチャンネルをやっています。たまにPICを使って電子工作をしているのでその一部を紹介します。
テレビのリモコン
一切見ていないテレビを引っ張り出してきました。
PICマイコンのPWM出力にトランジスタと赤外線LEDを繋いで、プログラミングしました。
4足歩行ロボット
念願の3Dプリンターを買ったのでお試しにロボットを作ってみました。サーボモーターを8つ使っているんですが、PWM制御ピンが足りなかったのでタイマ割り込みとGPIOピンでソフトウェアPWM制御で動かしています。
この動画を作った後に、ブレッドボードから5cm×5cmの基板にPICマイコンを搭載して自走できるようにしました。
PICマイコンの書き込みについて
ArduinoはUSBを挿せばプログラムを書きこむことができますが、PICマイコンはプログラムを書きこむために専用のツールが必要です。
その名もPICkitです。
これとPICを接続することでプログラムを書きこみます。
開発環境は無料のMPLAB Xを使うことが可能です。
PICマイコンのおすすめの参考書
PICマイコンのデータシートは全て英語で書かれてあります。マイクロチップ社の日本支社が日本語に訳しているようですが、データが古いので使い物になりません。
もしも、PICマイコンをイチから勉強するならこの本がおすすめです。
何十ページもある膨大なPICマイコンの使い方が記されたデータシートを日本語に訳しています。しかも、超絶分かりやすく。
著者の方は他にもPIC関連の本を出版されており、PICでおすすめの本はと聞かれたら真っ先にこの本を推奨するほどです。
さいごに:製品レベルの電子工作ならPICマイコン
この記事ではPICマイコンについて紹介しました。
電子工作の初心者ならArduinoでマイコンの大まかな機能を学んでからPICマイコンの勉強をした方がおすすめです。
PICマイコンは詳細設定が細かく、英語のデータシートを読むか本を読みながらではないと難しいです。しかし、設定が細かい分、様々なことに臨機応変に対応できるところが良いところです。
ぜひ、ステップアップしたい方はPICマイコンに挑戦してみてください。
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