どうも、組み込みエンジニアのなかしーです。
電子工作に欠かせない測定機器と言えばマルチメーターとオシロスコープです。マルチメーターは電圧や電流などの値が安定している回路であれば測定可能です。
しかし、コンデンサを使った充電回路のように時間によって電圧が変化するような回路では役に立たちません。他にもSPI通信やI2C通信といったシリアル通信でも同じことが言えます。
そこでオシロスコープの出番です。
オシロスコープは電圧の変化をグラフで見ることができます。だから、オシロスコープを使うとマルチメーターでは測定できなかったことが測定可能になります。例えば、次のようなことが可能です。
- 通信波形の解析
- PWM波の周波数とデューティー比を確認
- コンデンサの充電放電回路の波形を観察
オシロスコープがないと上記の確認のしようがないので、電子工作でできることが少なくなってしまいます。
オシロスコープはピンキリで数千円で買える物から数十万円する物までピンキリです。今回は趣味の電子工作で使う前提でおすすめのオシロスコープについて紹介します。
ぜひこの記事を読んでオシロスコープがある電子工作ライフを想像してみてください。きっとワクワクしてくるはずですよ。
オシロスコープを比較するポイント
オシロスコープを購入しようとAmazonで検索してみると分かりますが、たくさん表示されます。価格は数千円から数万円レベル。はじめに言っておくと安ければ良いというわけではありません。
車のグレードのように値段が高いほど色々な機能が付いています。だからと言って高い物がおすすめな訳でもありません。その中から最低限の機能を確保し、最安値で買いたいところです。
オシロスコープを購入するときに最低限、比較検討したいポイントは次のとおりです。
- サンプリング周波数
- トリガー
- チャンネル数
詳しく解説します。
サンプリング周波数
サンプリング周波数というのは1秒間に何回電圧を測定できるかを示した値です。通信制御だと100kHz以上の周波数がざらですが、安いオシロスコープだと20kHzまでのスペックしかないので解析不可能です。
少なくても10MHzぐらいはあってほしいところ。
トリガー
トリガーは任意の電圧に到達したときグラフの変化を停止することができる便利な機能です。トリガー機能がついていないと波形を見るだけしかできないので不便です。
例えば、テレビのリモコンに使われている赤外線通信をオシロスコープで解析しようとした場合に困ります。リモコンのボタンを押している間は波形を見ることができますが、一定時間ごとに更新されるのでデータの解析どころではありません。
トリガー機能が付いていれば、任意の電圧に到達した状態をキープできるので、こんな画面のキャプチャーを撮ることも可能です。
チャンネル数
チャンネル数は2つ以上必須です。
理由はSPI通信とI2C通信はクロックに合わせてデータを送受信しているからです。もしも、チャンネル数が1つだった場合、クロックと同期してデータの送受信をしているか確認できないし、いちいち測定個所を変えるのはめんどくさい。
チャンネルが4つあると超便利ですが、その分のお値段が付くのでお財布と相談ですね。
おすすめのオシロスコープを紹介
僕がおすすめするオシロスコープはこちらです。
実際にこちらを使って電子工作をしているんですが、最低限欲しい機能はもちろん、パソコンとUSBで繋いで画面をキャプチャーしてくれたり、自動で周波数や電圧を計測してくれる機能なんかも付いています。
このオシロスコープは低価格のオシロスコープと比べると数倍高いように感じますが、工業用のオシロスコープは数十万円以上するものもあります。そういったガチなオシロスコープに比べると安いでしょう。
初期投資こそお金はかかるかもしれませんが、オシロスコープが自宅にあることで電子工作の幅が増えるメリットは多大です。
おすすめのマルチメーターはこちらの記事を読んでみてください。
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