どうも、なかしー(@nakac_work)です。
僕は自動車や家電製品のマイコンにプログラミングをする組み込みエンジニアとして働いています。
電子工作の回路図を書くのって難しいというか、よく分からないことだらけですよね。
18歳から20歳までは電子回路の設計・製作スキルを競う大会に出場していました。その大会で自分が設計した回路図を提出する必要がありまして、2年間ぐらい図面用のCADを使っていました。
その前はどうだったかというと、はんだ付けとプログラミングしか出来ませんでした。その為、作りたい物があっても回路図なんて書けないし、回路もよく分からない感じでした。
現在は、自宅でドローンを開発しています。
その図面がこちらです!
今回は「回路図の書き方」について紹介します。
ここで紹介するのはCADの使い方ではなく、手書きでも通用する回路図の書き方なので、「CADってなんだ?」と思った方は安心してください!
この記事を読んで、先ほどのドローンの回路図よりも小規模な回路の図面を書けるようになりましょう。
回路図で使う図記号が分からない人は先にこちらの記事を読んでください。
>>電子回路の図記号を紹介【電子工作を始めたばかりの方向け】
回路図の書き方
まずは、大まかなルールを紹介します。
先に断っておくと、回路図の書き方に正解はないと思っています。しかし、キレイとか分かりやすく書く方法はあると思うので、それを紹介します。
回路図のルール
- 電圧が高い方を上側に書く
- 左から入力→処理→出力の並びで書く
- 機能ごとにまとめて書く
この3つが大事です。
これだけだと分からないと思うので詳しく解説します。
書き方1.電圧が高い方を上側に書く
電圧が高い方を上側に、低い方を下側に書きます。
これは参考書でも、ネット上に公開されている回路図のほとんどがこのルールに沿って書かれていると思います。
なぜ、上から下に書くのかというと、電流は電圧が高いところから低いところに流れるので回路図を見た時に感覚的に理解しやすいからだと思います。
もちろん、例外はあります。
この下の画像の下の方ではGNDと+3.3Vの位置が反対になっています。
上下入れ替えることはできますが、そうすると他の線と重なって見づらくなってしまいます。
「見やすい回路図」を書ければOKなので、逆になっています。
書き方2.左から入力→処理→出力の並びで書く
センサやスイッチなどの入力系を図面の左側に書き、モーターやLCDなどの出力系を図面の右側に書きます。その中間にマイコンやICなど信号を処理する回路を書きます。
矢印が左や右などを向いていたら信号がどのように流れるのか見づらいですよね。
例外があるとすれば、フィードバック制御のように出力に繋がる信号を前の回路に繋ぐときです。その場合は戻る線がなるべく他の線と被らないようにするのがコツです。
書き方3.機能ごとにまとめて書く
機能ごとに位置をまとめて書いてください。
冒頭で見せた回路図を機能ごとに表すとこんな感じになっています。
例えば、通信モジュールの部品が、モータードライバーの位置にあったら見づらくなってしまいます。
これぐらいの規模を手書きで書くのは大変なので、フリーソフトを使うと良いと思います。
回路図を書くためのフリーソフト
回路図を書くためのおすすめのフリーソフトは2つあります。
- EAGLE
- 水魚堂の回路図エディタ
回路図ソフト:EAGLE
EAGLEはCADで有名な会社が作ったソフトです。
基本無料で使えて、プリント基板を作る時に必要な機能も備わっています。
ICなどピン数が多くなると図面を書くのが大変ですが、ライブラリとしてICを豊富に揃えているので、スタンプ感覚で図面にICなどを書くことができます。
EAGLEのサイトはこちら
水魚堂の回路図エディタ
EAGLEを使うまでこちらの回路図ソフトを使っていました。
こちらは操作がシンプルなので初心者の方におすすめです。
ただ、ライブラリの部品の数が少ないので、物足りなくなったらEAGLEに変えるか、自分でライブラリを作成すると良いと思います。
水魚堂の回路図エディタはこちら
回路図の書き方|まとめ
この記事では「回路図の書き方」について紹介しました。
回路図の書き方のポイントは次の3つです。
- 電圧が高い方を上側に書く
- 左から入力→処理→出力の並びで書く
- 機能ごとにまとめて書く
このルールに当てはまらない例外が出てくることもあると思いますが、読める回路図になっていればOKです。
練習として、トグルスイッチに応じてトランジスタのON/OFFが切り替わってLEDが点灯したり、消灯したりする回路図を書いてみてください。
最初は難しいかもしれませんが、練習あるのみです。
もしも、トランジスタの動きがよく分からないのであればこの記事がおすすめです。
>>トランジスタの仕組みを理解しよう【使い方や回路例も紹介】